1.3.3.集合の演算

$\newcommand{\lnl}{\\[8pt]}$$\newcommand{\Lnl}{\\[18pt]}$$\newcommand{\delt}{\mathrm{d}}$$\newcommand{\comb}{\mathrm{C}}$$\DeclareMathOperator*{\ssum}{\Sigma}$$\DeclareMathOperator*{\sprod}{\Pi}$

和集合

2つの集合$A$,$B$の元すべてからのみ成る集合を集合$A,B$の和集合(Union)といい$A\cup B$で表します.

\begin{align}
A\cup B = \{x; x \in A \text{または} x \in B\}
\end{align}

ベン図で書くとこんな感じです.

複数の集合に対して繰り返し使うことができます.
集合列$\{A_i\} , i=1,2,\cdots n$に対して,

\begin{align}
A_1 \cup A_2 \cup \cdots\cup A_n = \bigcup_{i=1}^n A_i
\end{align}

これは,
\begin{align}
\bigcup_{i=1}^n A_i = \{ x ; A_1,A_2,\cdots,A_n\text{のいずれかが}x\text{を含む}\}
\end{align}

という意味です.

積集合

2つの集合$A$,$B$に共通して含まれる元すべてからのみ成る集合を集合$A,B$の積集合(Intersection)または共通部分といい$A\cap B$で表します.

\begin{align}
A\cap B = \{x; x \in A \text{かつ} x \in B\}
\end{align}

ベン図で書くとこんな感じです.

複数の集合に対して繰り返し使うことができます.
集合列$\{A_i\} , i=1,2,\cdots n$に対して,

\begin{align}
A_1 \cap A_2 \cap \cdots\cap A_n = \bigcap_{i=1}^n A_i
\end{align}

これは,
\begin{align}
\bigcap_{i=1}^n A_i = \{ x ; A_1,A_2,\cdots,A_n\text{のいずれも}x\text{を含む}\}
\end{align}

という意味です.

差集合

2つの集合$A$,$B$があり,集合$A$から集合$B$に含まれる元を取り除いて得られる集合を集合$A$から集合$B$を引いた差集合(set dirrerence)または単にといい$A \setminus B$ ,$A-B$ などと表します.

\begin{align}
A\setminus B = \{x; x \in A \text{かつ} x \not\in B\}
\end{align}

ベン図で書くとこんな感じです.

集合から特定の元を取り除く際にも差集合を使います.
例えば , 偶数ではない素数全体の集合$P’$は,素数全体の集合$P$を用いて,

\begin{align}
P’ = P\setminus\{2\}
\end{align}

と表すことができます.

差集合の性質

全体集合を$\Omega$とすると,次のような性質が成り立ちます.いずれもベン図を書けばすぐに理解できると思います.

集合$A$から$A$と互いに素な集合を引いても変わらない

集合$A , B$を互いに素な集合とする.つまり$A\cap B= \phi$.
このとき,

\begin{align}
A\setminus B = A
\end{align}

となる.

なお, $A\cap \phi = \phi$ですから, 空集合を引いても元の集合と変わらないことが言えます.

\begin{align}
A\setminus \phi &= A
\end{align}

集合$A$から上位集合を引くと空集合

集合$A , B$があり, $A \subseteq B$とする.
このとき,

\begin{align}
A\setminus B = \phi
\end{align}

となる.

$A$自身, 全体集合$\Omega$も$A$の上位集合ですので,

\begin{align}
A\setminus A &= \phi \\
A\setminus \Omega &= \phi
\end{align}

が成り立ちます.

集合$A$から集合$B$を引くのと,$A\cap B$を引くので結果は変わらない

集合$A, B$があるとき,

\begin{align}
A\setminus B = A\setminus(A\cap B)
\end{align}

集合の演算に関する定理

ド・モルガンの法則

ド・モルガンの法則とは , 積集合・和集合・補集合に関する等式です.
2つの集合$A,B$に対して次が成り立ちます.

\begin{align}
(A\cup B)^\mathrm{c} = A^\mathrm{c} \cap B^\mathrm{c} \label{eq1}\\
(A\cap B)^\mathrm{c} = A^\mathrm{c} \cup B^\mathrm{c} \label{eq2}
\end{align}

$\eqref{eq1}$をベン図で表すと次のようになります.

$\eqref{eq2}$をベン図で表すと次のようになります.

2つ以上の集合に対しても,同じように

\begin{align}
(A\cup B \cup C \cup \cdots)^\mathrm{c} = A^\mathrm{c} \cap B^\mathrm{c} \cap C^\mathrm{c} \cap \cdots\\
(A\cap B \cap C \cap \cdots)^\mathrm{c} = A^\mathrm{c} \cup B^\mathrm{c} \cup C^\mathrm{c} \cup \cdots
\end{align}

が成り立ちます.

分配法則

3つの集合$A,B,C$に対して次が成り立ちます.

\begin{align}
(A\cup B)\cap C = (A\cap C)\cup (B \cap C) \label{eq3}\\
(A\cap B)\cup C = (A\cup C)\cap (B \cup C) \label{eq4}
\end{align}

$\eqref{eq3}$をベン図で表すと次のようになります.

$\eqref{eq4}$をベン図で表すと次のようになります.

分配法則はたくさんの集合でも成り立ちます.
集合$A , B , C , D ,\cdots$に対して,

\begin{align}
(A\cup B \cup C \cup \cdots)\cap D = (A\cap D)\cup (B \cap D) \cup (C \cap D) \cup \cdots\\
(A\cap B \cap C \cap \cdots)\cup D = (A\cup D)\cap (B \cup D) \cap (C \cup D) \cap \cdots
\end{align}

が成立.