ex7.5.10 独立性の検定(その4)

はじめに

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$\newcommand{\lnl}{\\[8pt]}$ $\newcommand{\Lnl}{\\[18pt]}$ $\newcommand{\delt}{\mathrm{d}}$ $\newcommand{\comb}{\mathrm{C}}$ $\DeclareMathOperator*{\ssum}{\Sigma}$ $\DeclareMathOperator*{\sprod}{\Pi}$

ex7.5.10

カイ二乗検定

帰無仮説$H_0$:「各工場の不良品の割合は等しい」に対する検定を行う.
今回全工場で検査した製品の数の合計は$150+200+300+200=850$である.
$H_0$が正しい場合の不良品, 良品の各期待確率$p_F,p_T$は,

\begin{align}
&p_F = \frac{20+63+33+85}{850} = 0.2365\lnl
&p_T = 1-p_F = 0.7635
\end{align}

である.期待度数は「期待確率×各工場で検査した数の合計」であるから,期待度数を表にすると,

$
\begin{array}{|c||*{2}{c|}|c|} \hline
\text{}&\text{不良品}&\text{良品}&\text{計} \\\hline
\text{工場A}&35.47&114.53&150\\\hline
\text{工場B}&47.29&152.71&200\\\hline
\text{工場C}&70.94&229.06&300\\\hline
\text{工場D}&47.29&152.71&200\\\hline
\text{計}&201&649&850 \\\hline
\end{array}
$

となる.(四捨五入の関係で合計が合わない部分がある)

従って,$Q(\bm{X})$は,

\begin{align}
Q(&\bm{X}) \lnl
&=\frac{(20-35.47)^2}{35.47} + \frac{(130-114.53)^2}{114.53} + \cdots + \frac{(115-152.71)^2}{152.71}
&\fallingdotseq 81.63
\end{align}

となる.

$Q(\bm{X})$が従うカイ二乗分布の自由度は,$(2-1)(4-1) = 3$である. 統計表より

\begin{align}
&\chi^2_{3,0.005} = 12.838
\end{align}

であるから,有意確率$p$は
\begin{align}
p < 0.005 \end{align}
である.

尤度比検定

テキスト(7.5.2)より

\begin{align}
-2\log\lambda(\bm{X}) &= 2\left(20 \log\frac{20}{35.47} + 130 \log\frac{130}{114.53} + \cdots + 115\log\frac{115}{152.71}\right)\lnl
&= 82.20
\end{align}

が帰無仮説のもとで漸近的に自由度$(2-1)(4-1) = 3$のカイ二乗分布に従うことを用いる.
尤度比検定を用いた場合の有意確率$p$は,
\begin{align}
p < 0.005 \end{align}
である.