1.3.1.集合の基本

$\newcommand{\lnl}{\\[8pt]}$$\newcommand{\Lnl}{\\[18pt]}$$\newcommand{\delt}{\mathrm{d}}$$\newcommand{\comb}{\mathrm{C}}$$\DeclareMathOperator*{\ssum}{\Sigma}$$\DeclareMathOperator*{\sprod}{\Pi}$

集合とは

数学における集合(sets)は, 複数の物をまとめて考えることにより数学的に扱いやすくする目的で導入されます.

集合の表記

集合の表記はいくつかあります.集合はその構成要素である(element)がどういうものかを指定すれば一意に定まります.
その元の表記は,

  1. 言葉で元を表す
  2. 元を書き下すことで表す
  3. 元の条件を記載することで表す

といった手段で行います.

言葉で元を表す

言葉で元を表す方法です.
言葉で表すときには厳密に書く必要があります.

厳密な例:

\begin{align}
\{10\text{以下の自然数}\}
\end{align}

あいまいな例:

\begin{align}
\{\text{小さい自然数}\}
\end{align}

元を書き下すことで表す

具体的に元を書き下すことで表す記法です.たとえば,$10$以下の奇数全体から成る集合は,

\begin{align}
\{1, 3, 5 , 7 , 9 \}
\end{align}

のように $\{ \}$の中に具体的な元を書き出すことで表せます.

元が無限の場合でも省略記法を用いて書くことができます.
たとえば正の整数のうち全ての偶数から成る集合は,

\begin{align}
\{2, 4, 6 , \cdots \}\\
\{2, 4, 6 , \cdots , 2n , \cdots \}
\end{align}

などと表すことができます.
このとき,省略記号で書いた部分があいまいにならないように書くことが必要です.

元の条件を記載することで表す

元の条件を記載することで表す表記はよく使われます.
$10$以下の奇数全体から成る集合は,

\begin{align}
\{k ; k = 2n-1 , n\text{は正整数}\}
\end{align}

となります.

元と集合の関係

ある集合$X$にある元$\omega$が含まれる場合,

\begin{align}
\omega \in X
\end{align}

と書きます.逆にある集合$X$にある元$\varphi$が含まれない場合,
\begin{align}
\varphi \not\in X
\end{align}

と書きます.

例:

\begin{align}
2 &\in \{k; k = 2n , n\text{は正整数}\} \\
4 &\not\in \{p; p\text{は素数}\}
\end{align}

ある集合とある元があった場合に, 両者の関係は「元が集合に含まれる」か「元が集合に含まれない」のいずれかとなります.

空集合

空集合(empty set)は元を一つも含まない集合です.
空集合は$\phi$と表します.

\begin{align}
\phi = \{ \}
\end{align}