ex3.10.2 F分布に従う分布の例(指数分布の和の商)

はじめに

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$\newcommand{\lnl}{\\[8pt]}$ $\newcommand{\Lnl}{\\[18pt]}$ $\newcommand{\delt}{\mathrm{d}}$ $\newcommand{\comb}{\mathrm{C}}$ $\DeclareMathOperator*{\ssum}{\Sigma}$ $\DeclareMathOperator*{\sprod}{\Pi}$

ex3.10.2

与えられた$S$を変形して、

\begin{align}
S &= \frac{nX}{mY} = \frac{X/(2m)}{Y/(2n)}
\end{align}

と表せる。
$X \sim \chi^2(2m)$および$Y \sim \chi^2(2n)$を示せば$S$は自由度$2m,2n$の$F$分布に従うといえる。

$X_i \sim \mathrm{Exp}(1/2)$ ,$(i = 1,2,\cdots m)$の積率母関数は共通なので、これを$m_{X_i}(t)$と表すことにすれば、テキストp139の(3.7.7)より、

\begin{align}
m_{X_i}(t) &= \frac{1/2}{1/2 -t } = \frac{1}{1-2t}
\end{align}

である。
$X$の積率母関数$m_X(t)$は、

\begin{align}
m_{X}(t) &= \prod_{i=1}^{m} m_{X_i}(t)\\
&=\left( \frac{1}{1-2t}\right)^m \\
&=\left( \frac{1}{1-2t}\right)^{\frac{(2m)}{2}}
\end{align}

これは、自由度$2m$のカイ二乗分布の積率母関数に等しいので、$X \sim \chi^2(2m)$が示された。
(p144の(3.9.2)を参照のこと)
$Y \sim \chi^2(2n)$も同様に示すことができるので、題意が示された。