1.1.2.順列

$\newcommand{\lnl}{\\[8pt]}$ $\newcommand{\Lnl}{\\[18pt]}$ $\newcommand{\delt}{\mathrm{d}}$ $\newcommand{\comb}{\mathrm{C}}$ $\DeclareMathOperator*{\ssum}{\Sigma}$ $\DeclareMathOperator*{\sprod}{\Pi}$

順列

相異なる$n$個の物から相異なる$k$個(もちろん$k \le n$とします)を順番に選ぶことを(重複のない)順列(permutation)といいます.この場合の順列の総数を${}_n\mathrm{P}_k$と表します.

どんなときに順列を考えるのか

順列の詳しい説明に入る前に,どんなときに順列を考えると便利なのか考えてみましょう.

レースの予想

12人が走るレースで1位2位3位をピタリと予想することを考えます.この場合,$n=12 , k=3$と考えれば上記の順列の定義に沿っていますね.
はたして全選手の実力は同じで,勝負の行方はまったくわからないとき,デタラメに予想したらどれくらいの確率であたるのかを考えるのに順列は役に立ちます.

総数が${}_{12}\mathrm{P}_3$なので,そのうちの$1$つがあたる確率$p$は

\begin{align}
p = \frac{1}{{}_{12}\mathrm{P}_3}
\end{align}

と表せます.まだ総数の詳しい計算を紹介していませんが,先に答えだけ書くと, ${}_{12}\mathrm{P}_3=1320$です.デタラメだとめったにあたらない確率ですね.

順列の計算

順列の計算は階乗の計算と似ています.まずは具体的な値を当てはめて計算方法を紹介します.
$n=12 , k=3$のケースを考えましょう.これは$12$個の物から$3$個選んで並べる並べ方の総数を求めるということです.

まず$1$番目には$12$個のうち何を選んでもいいので$12$通りです.
$2$番目は$1$番目に選んだ物を除外した$11$個のうち何を選んでもいいので$11$通りです.
$3$番目は$1,2$番目に選んだ物を除外した$10$個のうち何を選んでもいいので$10$通りです.

上記から,総数${}_{12}\mathrm{P}_3 = 12\times 11 \times 10 = 1320$とわかります.
つまり,$12$から大きい順に$3$個かければ良いということです.

一般の$n$と$k$の場合も同様に考えれば ,

\begin{align}
{}_{n}\mathrm{P}_k = \underbrace{n\times(n-1)\times \cdots \times (n-k +1)}_{k\text{個}}
\end{align}

となります.$n$から大きい順に$k$個かければいいので覚えやすいですね.

また, 上記は階乗の記号を使って次のようにも表せます.

\begin{align}
{}_{n}\mathrm{P}_k = \frac{n!}{(n-k)!}
\end{align}

まとめ

相異なる$n$個の物から相異なる$k$個($k \le n$)を選び,並べることを(重複のない)順列といい,順列の総数を${}_n\mathrm{P}_k$と表す.

\begin{align}
{}_n\mathrm{P}_k = \underbrace{n\times(n-1)\times \cdots \times (n-k +1)}_{k\text{個}} = \frac{n!}{(n-k)!}
\end{align}