2018統計検定1級受験記

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統計検定1級を受けてきました

受験会場は東京大学本郷キャンパス法文1号館。
丸ノ内線本郷三丁目駅から歩いて約10分ほどかかりました。

1級は受験者少ないかなと思ったら意外と多く、私がいた教室は100人以上は余裕でいました。
人数が多いせいか試験監督は解答用紙・マークシート・問題用紙の配布から、電卓の確認、受験票の回収など大忙しでしたね。
お疲れ様です。

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マークシート・解答用紙・問題用紙

さて、試験ですが問題用紙の表紙と裏表紙はこんな感じです。

問題用紙の裏にある通り、解答用紙の表紙に自分が解答した問題に〇をつけるようになっています。
また、解答用紙の表紙に受験番号、また解答ページに受験番号と解いた問題番号を書く必要があります。

マークシートはアンケート用でした。
WEB合格発表の希望や最終学歴などを聞かれました。

問題はA4の紙の見開きで左側ページに問題分、右側ページは計算用紙になっています。
ただ、問題文が長い場合は右側も問題ページとなっており、計算は余白で行うか別のページで行う必要があります。
(計算用紙使わずにいきなり解答用紙に書いてもいいのですが、、、)
なお、付表は問題用紙の最後にまとめて記載されています。これは公式問題集と同じ形式でした。

解答用紙はA4の紙の見開きで、各ページの両端は採点用の欄になっていますので、解答は内側を使うことになります。
私が通っていた大学の入試の記述問題や大学の定期試験の解答用紙は完全に真っ白の解答用紙でしたが、統計検定では横罫線が入っています。感覚的にはA罫ぐらいでしょうか。
この横罫線が濃く・太くて解答しづらいったらありゃしないです。
分数など、分母分子を二行に分けて書いていると横線が罫線と被ってしまい、見にくくなったりして、ただでさえ記述量が多いのにいらっとします。
正直、真っ白なほうが受験生も採点者もWIN-WINだと思うのですが、罫線入れる理由って何かあるのでしょうか。

で、肝心の試験ですが、

午前:統計数理

パラパラと問題を眺めて、まずは問1を解くことにしました。
計算ミスすると手戻りが多そうだったので、計算用紙に下書きしてから解答用紙に必要部分を書き写すことにしました。
問1は正規分布の標準偏差の期待値をχ二乗分布を用いて導出する問題でした。(1)~(3)を順調に解いて、(4)は時間がかかりそうだったのでおあずけ。
いったん問2にいくことに。
問2は具体的に計算してみて式の形は見えたものの、論述がめんどくさそうなので捨てて、やっぱり問3に変更しました。
問3は二項分布の条件付き確率関数や期待値、分散を求める問題です。
(1)~(4)までは順調に解いて、(5)は「ん?計算法を示せ?」となって計算をせずに計算法だけ示しました。
(尤度関数を最大化する$\theta$を求めればよい、具体的には対数尤度関数を$\theta$で微分して0と置き、増減表を書いて最大値を取る$\theta$を求める ぐらいの記述)
でも、もしかしたら2016年統計応用(理工学)の問4のようにある程度関係式まで求めるところまで書いて、最後の計算はしないぐらいが正解だったかなぁと今思っています。
「モーメント法に基づく推定値でもあることを示せ」の部分は計算してないなりに、根拠を書いてみましたが、計算したほうが早かったかも。。。

次に問5は一様分布の順序統計量で簡単そうだったので、(1)(2)はさくっと解きました。
(3)の前に問1の清書や(4)を少し手を付けたりするのに時間をとられ、結局時間切れで(3)は解ききれず。

午後:統計応用 理工

統計応用は選択分野ごとに教室変わるのかと思ったら、人数的にはたぶんみんな同じ部屋でしたね。
午前と同じく全問目を通してみますが、第一印象で解ききれると思う問題がなくちょっと焦る。
とりあえず、問1の半分ぐらいは行けるだろうという目論見で解き始めます。
今回は計算量は少なそうで、計算ミスの恐れもなさそうだったのでいきなり解答用紙に記入しました。

問1は(1)~(3)あたりはただの計算問題で、(4)(5)はきちんと論証しきれていないと思いつつ、次の問題へ。
問2は計算問題をサクッと解いて、あとはつまみ食い状態。
問5は計算量にはまりそうになるも、何とか解けた?気が。
2次導関数って久しぶりに求めましたが、図形的な意味があいまい(正負どっちが凸だっけ?みたいな)になっていて、不安を残しながらも最後に出てきた不等式見てまあそうだよねと思ったのでよしとします。

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まとめ

手ごたえ的には準1級の時と同じくボーダーぐらいかなと思っています。
大学受験風に書けば、午前も午後も1完2半ですが完も「完璧」という意味ではなく「怪しいところは残しつつも全問解けた」レベルなので正解次第では半に格落ち、もしかしたら$\times$に近い半でもおかしくないですね。
(準1級でA合格もらえた感じだと、相当部分点はもらえそうな印象はありますが)

感想はとにかく、記述量が多い。1日たった今日でも手首が痛いです。
ちゃんと書こうとすればするほど記述しなくてはいけなくて、例えば表に与えられてるとある数字を使いたい場合に、「Aクラスの数学選択者の標準偏差を〇〇とし、Aクラスの数学非選択者の標準偏差を××とし、・・・」と記号を定義するために記述量が増えるという悪循環。
今思えば、上記の場合は単に 「$a = 6.8,b=7.8$とする」などと書いてもよかったですが。

公式テキストの解答はかなり簡潔に書いていたり詳しく書いていたりマチマチなので安全側に倒すと詳細に書くしかないのかなあと思っています。ただ、最尤推定量を求める際に導関数の正負を調べていなかったりと厳密さにかけるなぁと思っている点はありました(2014年統計数理 問5の解答で、「試験の解答ではそこまで要求していない」と明記されていますね)
なので、詳細に書いて時間が足りなくなるぐらいなら簡潔に書ける分には書いてもいいんじゃないかと思います。

統計の難しい応用理論を勉強するよりも、地道に期待値・分散・モーメント母関数の導出や代表分布の性質などを身に着けたほうが合格に近づきそうな気がします。

私は落ちていたら来年も受けますが、とりあえず当初の目的の機械学習や人工知能の勉強に手を付けたいと思います。
以上、長くてまとまりのない文で申し訳ないですが統計検定1級の受験記でした。
結果を受けて、勉強法(成功例 or 失敗例)とか書いていきます。